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  • 【テイルズオブヴェスペリア】フレン「ユーリ、逮捕する」【SS】


  • [ 2015/05/09 ] SS | コメント(3)


 

【ネガティブ注意】

このSSは鬱成分を含んでいます。ユーリが好きな方もご注意。

 



1:2011/07/07(木) 18:27:16.99 ID:
ユーリ「そうか……」

フレン「残念だが、逮捕状も出ている」

エステル「フレン、どうしてですか?!」

リタ「そうよ。今まで一緒に仲良く旅してきて、旅が終われば即逮捕ってどういうことよ?」

カロル「フレン……」

ジュディス「説明をもとめるわ」

レイヴン「……」

パティ「ユーリは世界を救ったのじゃぞ?!」

フレン「それとこれとは別問題だ」

ユーリ「ま、犯罪者であることは確かだしな」

エステル「ユーリ?!」  
2:2011/07/07(木) 18:30:48.45 ID:
ユーリ「じゃあ死刑判決でもなんでも下してくれ」

リタ「ちょっと、それでいいわけ?」

フレン「……逃げることもできるぞ?」

ユーリ「おいおい。王国の騎士さまがそんなこといっちゃあまずいだろ?」

フレン「しかし……」

ユーリ「いいから、連れてけ」

エステル「ユーリ!」

ユーリ「じゃあな、ま、面会のときは食い物でも持ってきてくれ」

レイヴン「……ありゃあ、初めからああするつもりだったのかね」

カロル「ユーリ!!僕たちのギルドはどうするのさ!!ユーリィィィィ!!!」

パティ「嫌じゃ!ユーリと離れたくない!!ユーリ!!」
3:2011/07/07(木) 18:33:40.74 ID:
牢屋

ユーリ「……ふわぁぁ」

フレン「ユーリ」

ユーリ「お、なんだ?早速面会か?」

フレン「今後の日程を伝えに来た」

ユーリ「そうか。で、面白いところに連れて行ってもらえるんだろうな?」

フレン「明日明朝、第一審が取り行うことになった」

ユーリ「ふーん。やっぱり大罪人ともなるとそういうのは早いんだな」

フレン「……五日ほどかけて行い、ユーリに対する判決が下されることになっている。弁護人はつかないそうだ」

ユーリ「そっか」

フレン「……」

ユーリ「なんだよ」

フレン「いいのか?」

ユーリ「何言ってる。俺は人を殺した。当然だろ」

フレン「しかし……」  
7:2011/07/07(木) 18:37:46.99 ID:
ユーリ「なんだ、今更罪人を庇うのか?いつかお前と剣を交えたときはそんな中途半端な覚悟じゃなかったはずだろ?」

フレン「ユーリは世界を救った。その事実は変わらない」

ユーリ「そんなの関係ないんだろ?」

フレン「ヨーデル様もユーリのことは……」

ユーリ「おい。変なことをあいつに押し付けようとすんな」

フレン「それは……」

ユーリ「俺は罪滅ぼしのためにアレクセイと戦ったつもりはない。エステルにも協力を仰ごうなんて考えるなよ?」

フレン「ユーリ……」

ユーリ「フレン、俺はもう満足だ」

フレン「何を……」

ユーリ「俺たちが騎士になろうって決めたのは国を変えたかったからだよな?」

フレン「ああ」

ユーリ「それが世界そのものの価値観すらも揺るがしたんだ。俺にはもうやり残したことはない」

フレン「……だから、死ぬっていうのか?」

ユーリ「……やっぱり俺は死刑か?」
9:2011/07/07(木) 18:41:40.15 ID:
フレン「恐らく。帝国評議会はユーリを処刑することで面子を保とうとしているのだろう」

ユーリ「腐ってもお偉いさんを殺したんだしな。立派なテロリストだ。そんなやつをのさばらしていたらお前らも困るんだろ」

フレン「……」

ユーリ「もういけよ。あんまり長話してたら怒られるぜ?」

フレン「構わない」

ユーリ「おいおい。なに腰をおろしてんだよ。お前にはもっと立派な椅子が用意されてんだろ?」

フレン「ここでは空が見えないな」

ユーリ「は?どうしたんよ?」

フレン「騎士団に入って国を変えよう。そう決めたときユーリが言った言葉を覚えている」

ユーリ「なんだ?」

フレン「俺たちは空を見ていよう。そうすれば苦しいことなんて小さく思えるって」

ユーリ「そんな恥ずかしいこと言ったか?」

フレン「空は大きく、どこまでも不変。天候は変われど、そのあり方が変化することはない。ユーリはそういった」

ユーリ「……俺は騎士になってもそうできると思った」

フレン「状況が変化しても、手段が違っても自分の意思を曲げることはないということか?」  
11:2011/07/07(木) 18:46:15.55 ID:
ユーリ「そうだな。でも、実際は自分の意思を曲げなきゃ前へ進むことすら許されなかった。だから、俺は辞めたんだ」

フレン「この際、どっちが正しいかなんて言うつもりはない。ユーリと剣を交えたときに分かった」

ユーリ「……劇薬を使うか良薬を使うか。結果は同じだとして、フレンならどっちを使う?」

フレン「劇薬の方が結果までの効果が早く、魅力的でもある。しかし、体にはよくない」

ユーリ「そうだな。もしかしたらどこか違う部分が壊れるかもしれねえ」

フレン「良薬は効果が表れるまで遅いが、体には優しい」

ユーリ「ま、万人に訊けば万人が良薬を口にするだろうな」

フレン「劇薬によって救われた命もある」

ユーリ「それは少数だろ?良薬のほうがいいに決まっている。それが正しいんじゃなくて、安心できるってだけだ」

フレン「安心?」

ユーリ「だってそうだろ?劇薬は誰かを、何かを犠牲にする覚悟で服用しなければいけない。リスクの問題だな」

フレン「そうか」

ユーリ「俺はせっかちだから劇薬に手を伸ばした。ダメだと言ってくれる親友の言葉を無視してまでな」

フレン「ユーリ……」

ユーリ「お前には悪いと思っている。反省もした。だが、後悔だけはしてない。俺の正義がそこにしかなかっただけだ」
12:2011/07/07(木) 18:47:51.36 ID:
カロルてんてーとジュデイスとパティとワンコだけ幸せになればいいや
13:2011/07/07(木) 18:49:58.93 ID:
フレン「そんなことは分かっている」

ユーリ「だからよ。俺を救おうなんて考えるな。こんな劇薬に手を出すほどの薬物中毒者をもう一度世に放ったら大変なことになる」

フレン「……」

ユーリ「ただでさえ今は混乱してんだからよ」

フレン「それで、いいのか……?」

ユーリ「いいも悪いも……」

フレン「エステリーゼ様もリタもカロルも……ラピードもきっと悲しむ」

ユーリ「フレン、それは違うぞ」

フレン「……どうしてだ?」

ユーリ「死刑囚が死んでその肉親や知人が悲しんでも、多くの人間は悲しまない。それどころか安心すらする」

フレン「ユーリ……!」

ユーリ「だから、これでいいんだ。お前も迷うな。騎士で隊長でヨーデル様のお気に入り。ここで足を汚そうとするな」

フレン「……」

ユーリ「なんだ?納得してないって顔だな」

フレン「自分の正義を貫くため、か」  
16:2011/07/07(木) 18:53:43.17 ID:
ユーリ「だからこそ、初めからこうして閉じ込められるのは受け入れるつもりでいた」

フレン「……正義を貫くことなんて、僕にできるだろうか」

ユーリ「今更何言ってやがる。今までそうしてきたんだろ?」

フレン「ああ、そのつもりだった。だが、結局は色々と妥協して、曲げてきたことも多い。組織に属している以上は、な」

ユーリ「いや。道が歪んだだけで、お前の目標には変わりがないはずだ」

フレン「それで良かったのか?」

ユーリ「いいんじゃねーの。俺は曲げるべき道が見えたとき、それを嫌った卑怯者だ」

フレン「子供、なんだな」

ユーリ「うるせえ。そんなことはもう分かってる」

フレン「だが、ユーリは空であろうとしただけだろ?」

ユーリ「それはお前も一緒だ。ただ、俺はその空にいつも晴天を求めちまった」

フレン「……」

ユーリ「間違いがあったとするなら、そこだな。空は暗くなるし、時には人間に災いをもたらすことを俺は忘れていた」

フレン「ずっと晴れたままではいつか大地は干上がってしまうな」

ユーリ「その通り。雨も必要だったんだ。でも、俺には雨を降らせる勇気がなかった。晴れてさえいれば、それでいい。そうでなくちゃいけないって考えていた」
17:2011/07/07(木) 18:57:21.33 ID:
フレン「それで救われる人もいたんじゃないのか?」

ユーリ「それはさっきも言っただろ?永遠の晴天を嬉しがる奴なんて殆どいねーよ」

フレン「ユーリは全ての人を救いたかったのか?」

ユーリ「……そんなこと思ったことはなかったな。いつも手の届く範囲しか見えてなかったから」

フレン「ユーリ、旅で視野が広がったはずだ。これからは雨を降らせることもできるんじゃないのか?」

ユーリ「おいおい。結局は説得かよ。ま、そうだな。もし、出ることが出来れば小雨ぐらいは降らすことができるかもしれない」

フレン「だったら!」

ユーリ「それはお前が決めることじゃねえだろ?」

フレン「……だが」

ユーリ「ヨーデルもエステルも権利はないはずだ。勿論、次期皇帝の口添えがあれば変わるんだろうけどよ」

フレン「……掛け合ってみてもいいんだぞ?」

ユーリ「だから、やめろって。それにお前にはそんな暇なんてないだろ?」

フレン「え?」  
19:2011/07/07(木) 19:05:00.73 ID:
ユーリ「今は大混乱の時期だ。お前は遠征の連続になるんじゃねえのか?」

フレン「それは分からない。だが、時間はまだある」

ユーリ「俺みたいな犯罪者を許すのがお前の正義なのか?」

フレン「……ああ。王国騎士フレン・シーフォの正義ではない。ユーリ・ローウェルの親友フレン・シーフォの正義だ」

ユーリ「……本気か?」

フレン「当然だ」

ユーリ「なら、好きにしろ」

フレン「好きにさせてもらう」

ユーリ「強情」

フレン「卑怯者」

ユーリ「……ふっ」

フレン「……はは」
20:2011/07/07(木) 19:09:04.77 ID:
翌日

フレン「明日から、ですか?」

議員「ああ、これは決定事項だ。フレンには遠征騎士隊の指揮を取ってもらう」

フレン「そんな……」

議員「何か、問題でもあるのかね?」

フレン「いえ……」

議員「では、よろしく頼む」

フレン「失礼します」


フレン(……今日中に動かなくてはいけないが……遠征ともなると様々な準備もいる)

フレン「くそ!」

エステル「フレン……」

フレン「エステリーゼ様……!?」

エステル「お話があります」

リタ「ようやく見つかったわ」

フレン「リタ……」
21:2011/07/07(木) 19:15:31.77 ID:
エステルの自室

フレン「みんなは?」

リタ「宿で待機中よ」

フレン「待機?」

エステル「フレン、ユーリを助けましょう」

フレン「エステリーゼ様、何を……」

リタ「脱獄させちゃえばいいんでしょ?」

フレン「な……?!」

エステル「やっぱりおかしいです。ユーリはずっと世界のことを憂い、そして救ってきました。そんなユーリが処罰されるなんて」

リタ「だから全員で協力して脱獄をね」

フレン「武醒魔導器も無しにか?」

リタ「そんなもんなくても……」

フレン「それではダメだ。何より君たちもテロリスト扱いになる」

リタ「別にそれぐらいは……」

フレン「エステリーゼ様?」
22:2011/07/07(木) 19:20:11.66 ID:
エステル「はい、なんでしょう?」

フレン「ユーリの罪を軽くするために御助力を願いたいのです」

リタ「ちょっと!」

エステル「飽く迄も法に則り、ユーリを救うと?」

フレン「はい」

リタ「そんなことしたって!」

フレン「……」

エステル「……フレンはそれで満足なのですか?」

フレン「え?」

エステル「私やヨーデルが擁護したところで、ユーリの処罰は変わらないでしょう」

フレン「それは……」

エステル「この混乱を極めた情勢では私の声など評議会に届く前に判決が下されます」

リタ「それこそ、向こうは早く決めたいでしょうし、お偉いさんは色々と忙しいそうだしね」

フレン「……」

エステル「話し合う時間などありません。フレン、決断を」
23:2011/07/07(木) 19:25:48.06 ID:
フレン「……しかし、まだ五日もあります……」

エステル「……ユーリは弁護人もいない状況です。五日もかかるとは思えません」

リタ「あんたもそろそろお偉いさんならちゃんと約束を守ってくれるとか信じるのやめなさいよ」

エステル「早期判決を狙っているでしょう。フレンやヨーデルによる擁護が入らないように」

フレン「……まさか。この急な遠征もか……」

リタ「遠征?あんた、遠征するの?」

フレン「ああ、明日からだ」

リタ「どうやら確定ね。この国はユーリに消えてほしいみたい」

フレン「どうすれば……」

リタ「簡単じゃない。あんたが王国を捨てれば」

フレン「捨てる……?」

リタ「だって、それしかユーリを救えないわよ?自由に動けるフレンの協力は必要不可欠なんだから」

フレン「……だが……」

エステル「フレン。こんなことを言うのは大変無責任なのですが……考えてはもらえませんか?」

フレン「エステリーゼ様……」
24:2011/07/07(木) 19:29:36.94 ID:
牢屋 夜

フレン「いいかな?」

衛兵「は!」

フレン「すまない」

フレン(騎士を辞めるなど、考えたこともなかった)

フレン(確かにもうチャンスはない。明日、遠征にでなければ謀反も同じだ)

フレン(……ユーリはどうおもうだろうか……)

フレン(自分の正義か、それとも国の正義か……)

ユーリ「よお、また来たのか。暇なのかよ、お前」

フレン「いや、そうでもないさ。明日、遠征に行くことが決まったからな」

ユーリ「ほーら、みろ。ま、当然だな」

フレン「そうだな。ところでどうだった?」

ユーリ「ったく、今日はずっと頭ごなしに攻められたぜ。なんかもう途中から遠まわしに死ねって言われてる感じだった」

フレン「ユーリ……」

ユーリ「なんだよ?」  
26:2011/07/07(木) 19:33:23.46 ID:
フレン「僕は迷っている。この遠征に行くかどうか」

ユーリ「何を迷う必要があるんだよ?」

フレン「……それは」

ユーリ「まさかとは思うが、遠征をサボってまで俺を助けようなんて考えてんじゃねえだろうな?」

フレン「……」

ユーリ「やめろ」

フレン「正義に良し悪しはない」

ユーリ「お前……」

フレン「だから、ここで国を捨ててユーリを救おうとも……!」

ユーリ「空を見ろ」

フレン「……え?」

ユーリ「お前は自分に嘘をつくな。空を見上げて考えろ。俺を救う?それに何のメリットがあるっていうんだ?」

フレン「しかし、それは」

ユーリ「俺を救ったところで一文の得もない。お前が騎士をやめることがどれほど民衆を不安にさせるか考えろ」

フレン「……」
27:2011/07/07(木) 19:37:36.36 ID:
ユーリ「いいか?お前は民衆からも人気がある。そんな奴が犯罪者を救って駆け落ちしましたなんてなったら、この国は終わる」

フレン「……」

ユーリ「今までそんな奴を抱えていたのか、この国の騎士は犯罪者を育てていたのかって責められる。そんなことが分からないお前じゃないだろ」

フレン「……じゃあ、どうすればいい!!」

ユーリ「……」

フレン「そんなこと、ユーリに言われなくても分かっている!!だからこうして迷っているんだ!!」

ユーリ「お前はそのままでいい」

フレン「……しかし」

ユーリ「俺はな、お前みたいな奴が国をゆっくりと変えていける場所にいるから、こうして落ち着いていられる」

フレン「ユーリ……」

ユーリ「もしお前がいなかったら脱獄を必死に考えていたと思う」

フレン「……僕は……」

ユーリ「俺を救うことに正義なんてもんはねえよ。特にフレンの正義にはな」

フレン「そうだろうか……?」
29:2011/07/07(木) 19:42:33.77 ID:
ユーリ「そうだ。遠征にいけ。余計なことを考えるな」

フレン「……」

ユーリ「俺は街中で見上げる狭い空でしかなかったけど、お前は平原で見える空だ。広大な視野で救うべき奴がちゃんと見えてんだろ?」

フレン「……」

ユーリ「俺を救って救えるはずだった何万って奴を見殺しになんてするな。それは俺がゆるさねえ」

フレン「……考えてみる」

ユーリ「おい」

フレン「考えないとダメだ。今の僕には決断することができない」

ユーリ「ったく、面倒なやつ」

フレン「すまない」
30:2011/07/07(木) 19:50:14.00 ID:
城内

フレン「……」

レイヴン「ハロー」

フレン「シュヴァー……」

レイヴン「レイヴン」

フレン「ああ、そうでしたね」

レイヴン「随分とおもいつめているようねえ」

フレン「ええ」

レイヴン「で、どうするわけ?」

フレン「……わかりません」

レイヴン「分からないってもう夜明けまで六時間とちょっとしかないけど?」

フレン「……」

レイヴン「……じゃあ、一つだけ忠告しとこうかね」

フレン「なんでしょう?」

レイヴン「どっちにしてもお前さんは後悔する」  
32:2011/07/07(木) 19:54:37.27 ID:
フレン「……!」

レイヴン「そういう場合、悩めば悩むほどドツボに嵌っちゃう」

フレン「……」

レイヴン「では、どうすればいいのか。その二者択一しかないのに、どちらも嫌な思いをしちゃう」

フレン「……レイヴンさんはどうするのですか?」

レイヴン「傾けるね」

フレン「え?」

レイヴン「耳を傾ける。で、聞こえた言葉を信じる」

フレン「それは……」

レイヴン「耳を傾けな。そうすれば聞こえてくるだろうから、自分の答えが」

フレン「耳を傾ける……」

レイヴン「んじゃ、これで」

フレン「……はい。ありがとうございます」

レイヴン(ユーリの頼みごととはいえ、ここまでしか言えないか……)
33:2011/07/07(木) 19:59:58.43 ID:
フレン「耳を、傾ける……」

エステル「フレン」

フレン「エステリーゼ様、まだ起きていたのですか?」

エステル「眠ることができません」

フレン「そうですか」

エステル「フレン、ユーリのことはどうするのですか?」

フレン「……耳を傾けています」

エステル「はい?」

フレン「私は今、岐路に立たされています」

エステル「……」

フレン「ですが、どちらも先は崖です。進めば慙愧しか残らない」

エステル「フレン……」

フレン「ですから、こうして立ち止まり耳を傾けています」

エステル「そうですか……何か聞こえます?」
34:2011/07/07(木) 20:06:40.60 ID:
フレン「ええ」

エステル「それは……なんです?」

フレン「……答えが、聞こえます」

エステル「答え?」

フレン「自分が正しくいれる道はどちらなのか、そんな答えが」

エステル「それはどちらなんです?」

フレン「……エステリーゼ様、お願いがあります」

エステル「はい……」

フレン「…………」

エステル「………」
35:2011/07/07(木) 20:12:21.44 ID:
翌日 夕刻 牢屋

衛兵「罪人ユーリ・ローウィル。お前はこれから死刑囚となり、三日後の処刑日まではここで過ごしてもらう」

ユーリ「やらく立派な部屋だな。ベッドもあるし風呂もあるじゃねーか」

衛兵「何か要望があれば何でも応えてやる。脱獄以外はな」

ユーリ「ははは、そりゃ助かる。脱獄はしたくねーからな」

衛兵「面会も自由だ」

ユーリ「ああ、そうかい。嬉しくて涙がでるわ」

衛兵「何かあれば呼べ」

ユーリ「はいはい」

ユーリ(予定よりも随分早い判決だったな。ま、ヨーデルやエステルに横槍を入れられたくないんだろうけど)

フレン「ユーリ」

ユーリ「……お前、遠征じゃなかったのか!?」

フレン「ユーリ、ここから逃げる気はないのか?」

ユーリ「……まさか、フレン!!」
37:2011/07/07(木) 20:18:22.90 ID:
フレン「最後の確認だ。もしユーリが逃げるといえばこの場で斬っていた」

ユーリ「何を言って……」

フレン「ユーリ、決めたよ」

ユーリ「……」

フレン「僕は遠征にいく」

ユーリ「なんだよ。俺と最後の挨拶がしたいから引き延ばしたのか?」

フレン「おかげで夜行軍になった」

ユーリ「はは、そりゃ御愁傷様。お前の評価が落ちないことを祈ってるよ」

フレン「ユーリ、ではもう出発するから」

ユーリ「ああ」

フレン「……」

ユーリ「フレン」

フレン「なんだ?」

ユーリ「……このあとの世界を頼んだぞ」

フレン「大役だが、任せてくれ」
38:2011/07/07(木) 20:24:15.64 ID:
宿屋 夜

リタ「エステル!?」

エステル「みなさんをお連れすることはできません」

カロル「なんでさ!」

ジュディス「……」

パティ「どくのじゃ、エステル!うちらはユーリを!!」

エステル「……もう、ユーリを困らせないでください……」

リタ「え?」

エステル「……もう……うぅ……」

レイヴン「どうやらユーリは腹をくくったようだね」

カロル「助けなきゃいけないんじゃなかったの!!」

エステル「……(ふるふる」

ジュディス「そう。エステルがそういうなら……でも、どうして?」
39:2011/07/07(木) 20:28:41.51 ID:
エステル「フレンからお願いされました……ユーリは怖いがっているから止めてほしいと」

パティ「じゃあ、助けに……!!」

エステル「違います!私たちが助けにくるのが怖いといっているんです!」

リタ「な、なによ、それ」

エステル「……」

レイヴン「死ぬ決心が揺らぐからじゃないの?」

リタ「そんなもん揺るがせばいいじゃない!!」

エステル「ダメです!ユーリはもう……決めたって……」

リタ「エステル、どいて!!」

エステル「ユーリの気持ちを踏みにじらないでください!!」

カロル「……エステル……」

ジュディス「どうやらユーリは本当に来てほしくないみたいね」

レイヴン「……水臭いね。ほんとに」
40:2011/07/07(木) 20:33:53.45 ID:
三時間前 牢屋

ユーリ「……死刑か。こうして現実になると、な」

エステル「ユーリ……」

ユーリ「エステルか」

エステル「ユーリ、逃げましょう」

ユーリ「悪いな。もう腹は括った」

エステル「でも!」

ユーリ「ここで俺が逃げたら決断したフレンに合わす顔がない」

エステル「そんなことないです!フレンだって本当は……!!」

ユーリ「よせよ」

エステル「でも、でも!!」

ユーリ「エステル、みんなを止めてくれよ?」

エステル「え?」

ユーリ「どうせあいつらバカだし、俺を助けようとするんだろうけど、それを止めてくれ」

エステル「……何故です?」
41:2011/07/07(木) 20:34:51.25 ID:
ユーリ(こんだけ言っときゃ逆に助けに来るだろwwwwwwwwwww)




ユーリ「あれっ?ちょっ…」
42:2011/07/07(木) 20:37:35.29 ID:
ユーリ「俺は死んで当然だ。この手も血に染まった」

エステル「人は皆、何を殺して生きています」

ユーリ「はは、下手な説法だな。ま、とにかく死ぬって決めたんだ。放っておいてくれ」

エステル「ユーリ!!」

ユーリ「エステル、感謝してる」

エステル「ユーリ!お願いです!逃げましょう!?」

ユーリ「泣くなよ」

エステル「そんなの無理です!泣きます!ユーリがここをでてくれなきゃ、泣きます……!!」

ユーリ「弱ったなぁ」

エステル「……ユーリ……おねがい……だから……」

ユーリ「……フレンも全員を止めろっていったんじゃねえのか?」

エステル「……はい。頼まれました……」

ユーリ「そういうことだ。あいつは俺の気持ちを汲んでくれた。だから、次はエステルが……」

エステル「そんなの無理です!!」

ユーリ「エステル。お前は絵本作家になって夢を売るんだろ?俺を助けたら、その夢も終わる」
43:2011/07/07(木) 20:41:27.85 ID:
僕がわらって生きていたのなら…  
45:2011/07/07(木) 20:45:10.37 ID:
エステル「ユーリを助けられるなら……!」

ユーリ「それ以上言ったら、怒るぞ?」

エステル「……!」

ユーリ「リタの頭脳もこれからの世界には必要だし、ジュディもその手伝いができる」

エステル「ユーリ……」

ユーリ「カロルにもギルドを大きくしてもらわなくちゃいけないし、ラピードとおっさんにもその手伝いをさせたいし」

エステル「……」

ユーリ「それらが残るから俺は安心して逝ける。なのに、俺が助かったことでそれらが全部失われるのは我慢できねえ」

エステル「……」

ユーリ「だから、エステル。夢を捨てんな。俺を助けて犯罪者になれば描いても読んでもらえなくなるぞ?」

エステル「ユーリ……」
47:2011/07/07(木) 20:50:46.34 ID:
ユーリ「お前の優しい絵本はきっとこれから必要になる。だから、描け。描いて見てもらえ。こんなとこで終わらしていいもんじゃない」

エステル「……はい……」

ユーリ「よし、良い子だ」

エステル「もう、子供扱いはやめてください……ユーリだって我がままで子供です……」

ユーリ「はは、そうだな」

エステル「ユーリ……」

ユーリ「ん?」

エステル「……大好きです……」

ユーリ「……俺もだ」

エステル「……さよなら、です……」

ユーリ「ああ、未来を頼む」

エステル「……はい」
48:2011/07/07(木) 20:57:42.99 ID:
遠征地

兵士「フレン隊長!装備品の点検が終わりました!」

フレン「よし、準備が整った。これより出発する!」

兵士「は!」

フレン「今日はいい天気だな」

兵士「はい。しかし、明日は雨のようですね」

フレン「そうか。体調管理は怠るなよ」

兵士「は!」

フレン「それにしても晴れの次の日が雨か」

兵士「どうかされましたか?」

フレン「いや。自分の心を表しているようだなと思ってね」

兵士「……?」

フレン(ユーリ、僕はこのまま進む)

フレン(今日は晴天だぞ、ユーリ……)
49:2011/07/07(木) 21:01:40.47 ID:
死刑執行日 処刑室

兵士「では、処刑を始める。そこに頭を置け」

ユーリ「はいはい」

兵士「……言い残したいことはあるか?」

ユーリ「そうだな。今日は晴れか?」

兵士「いや雨だ」

ユーリ「……そうか」

兵士「それだけか?」

ユーリ「ああ、十分だ」

兵士「そうか」

ユーリ(フレンは空を見てるんだろうな)

ユーリ(……みんな、怒ってんだろうな……はは、リタなんて俺の死体を焼きそうだ)

ユーリ(ずっと晴れたままでいた俺も最後は雨で終わるのも頷ける)

ユーリ(……真っ青で広い空を見たかったけど……ま、罪人だし、それも許されねえってか……はは、笑えねえな)


ザンッ  
52:2011/07/07(木) 21:07:18.85 ID:
ユーリ「なあ、フレン」

フレン「どうした?」

ユーリ「今日は雲ひとつねえな」

フレン「そうだな」

ユーリ「こんなにでかくて綺麗な空が続けば、みんなが感動して変わってくれると思うか?」

フレン「ああ、思う」

ユーリ「じゃあ、約束だ。俺達二人でこの澄み渡った空みたいな世界にするって。それが俺たちの正義だ」

フレン「難しいがユーリがそういうならやってみよう」

ラピード「ワン!」

ユーリ「お、ラピードもか?」

ラピード「ワン!!」

フレン「じゃあ、いつかみんなで」

ユーリ「ああ、世界を変えるぞ」

ラピード「ワン!!」

END
50:2011/07/07(木) 21:02:29.00 ID:
ユーーーリイイイイイイイ!!
51:2011/07/07(木) 21:04:48.05 ID:
このユーリさんには生きてほしかったが無理だったか  
55:2011/07/07(木) 21:16:23.54 ID:

いつになくダークな感じが新鮮で良かった
25:2011/07/07(木) 19:32:06.00 ID:
本編ではどうして罪が許されたの?
28:2011/07/07(木) 19:42:27.11 ID:
>>25
許されてないよ
いろいろあってうやむやになっただけ
脚本に守られたって感じ
134:2011/07/08(金) 00:28:07.29 ID:
おつ!ヴェスペリア凄いよかった!  
145:2011/07/08(金) 00:48:17.65 ID:
多分この人の書いたSSで一番好きだわ
ユーリ絡みはああいうダークなものが一番しっくりくる    
31:2011/07/07(木) 19:51:41.51 ID:
Vはダークヒーローとしての部分をもっとシビアに掘り下げていったらシナリオの評価も上がったと思う
テイルズの作風的に難しいのかもしれないけどさ


引用元:
  • http://hibari.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1310030836/
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コメント

84. :2015/06/13 20:29: 50
こっちの方がユーリに共感できる。

132. :2015/06/29 00:30: 07
ユーリィィイイイイイ!!!!!!

5972. :2016/06/17 06:09: 01
こういうの読むときはギャグ系以外は突っ込みどころも含めて許容して読んでるのに
茶化し文みたいのいれんでくれよ
まとめに来た意味がない

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『テイルズ オブ ベルセリア』未プレイ・未クリアの方は基本的にネタバレになるのでご注意ください

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